アルセウスうらこうさくの備忘録

 

 

# 記法

『【デッキ名・型名】』:デッキの名前やデッキの型の名前を表す。

『《カード名》』:カードの名前を表す。

『〈ワザ名・特性名〉』:ワザや特性の名前を表す。

『(ポケモン A)ライン』:ポケモンAやその進化系、進化前をひとまとめにした呼び方

『(ターン数 N) t 目』:Nターン目の意

 

 

⬛️ デッキ情報

⚫️ デッキ名について

さまざまな呼ばれ方がある:

多分それぞれに異なるニュアンスが込められているのだろうが、筆者はよくわかっていない。

⚫️ デッキ概要

アルセウスVSTAR》をメインアタッカーとして、サイドを6枚取り切ることを目指すデッキ。中打点なため、一度の攻撃で取れるサイドは平均して1枚ほどで、勝つためには大抵の場合6回の攻撃が必要なイメージ。インテレオンラインの〈うらこうさく〉で様々な便利カード・対策カードを駆使し有利状況に導く。

序盤は、基本的に

1 t 目:《アルセウスV》を出して、それにエネルギーを手貼り

2 t 目:《アルセウスVSTAR》に進化。VSTARパワー〈スターバース〉でダブルターボエネルギーをサーチ、手貼りして、ワザ〈トリニティノヴァ〉を起動

と動くのが理想。

 

⚫️ この記事で取り扱う型の、この記事での呼び方

※以降、型特有の内容を以下のように色分けする。

  • 【耐久型】

よく知られた通常の型で、耐久をできるだけ活かす方向性。《おおきなおまもり》や〈じあいのヴェール〉で耐久を上げた《アルセウスVSTAR》に相手の攻撃を耐えてもらい、《チェレンの気くばり》でダメージをなかったことにしてダメージレースを有利に戦う。

 

  • 【かがリザ型】

300 近くのダメージを耐えることは諦め、《かがやくリザードン》+《こだわりベルト》でVSTARポケモンをワンパンKOすることによる逆転を狙う。

 

 

⬛️ 各カード

※ 以下の『《カード名 A》n』なる表示は、Aのよくある採用枚数が n であることを表す。

⚫️ ポケモンのカード

1. メインのポケモン

・《アルセウスV》4

メインアタッカーの進化元。《ダブルターボエネルギー》を素引きしている後攻 1 t 目では〈トリニティチャージ〉が強力。

基本的には 2 体並べるところからゲームを始め、1体目のアルセウスラインが倒されても 2体目ですぐ攻撃できるように備える。

 

・《アルセウスVSTAR》3

メインアタッカー。デッキスペース的にも手札要求的にも少数のカードで育てることができ、その分だけ、それらを他の動きのために費やせることが魅力のカード。ワザの火力は低めだが、高い耐久で相手の攻撃を1回は耐えつつ 2 パン K.O. 合戦をすることで、最終的にはコスパの良いこちらが有利になってればいいな〜というイメージ。

ベンチポケモンを育成する過程で大事な「エネをつける」という段階をすっ飛ばすことができる強力なワザ〈トリニティノヴァ〉で、後続アタッカーを楽に育てていく。3エネをつける主な方法は以下の通り:

 ① 1 エネ手貼り  + 《ダブルターボエネルギー》手貼り

 ② 1 エネ手貼り  +  1 エネ手貼り  + 《メロン》or《キバナ》で加速

 ③《メロン》or《キバナ》で加速  + 《ダブルターボエネルギー》手貼り

 ④〈トリニティチャージ〉で加速

 ⑤〈トリニティノヴァ〉で加速

1体目は基本的に ① で育てる。そのため、素の打点は多くの場合で 180 となる。クロバットV》などの低 HP のたね V を 1 パンできる打点ではあるが、高めのたね V をワンパンするには《こだわりベルト》をつけることや《ダブルターボエネルギー》をつけていないことが必要。

VSTARパワー〈スターバース〉はこのデッキにおいて《ダブルターボエネルギー》をサーチできる数少ない手段の一つで、2 t 目に《ダブルターボエネルギー》を持ってくるために使ってしまうのがほとんど。《頂への雪道》には弱く、置かれしまったときは〈うらこうさく〉を使ってでも他スタジアムで貼り変えてあげる必要がある。

280 という HP は都合がよく、HP270 をちょうどワンパンできるようにデザインされてきた旧時代の攻撃まではギリギリ耐えることができる。耐えた後は《チェレンの気くばり》で回収してダメージレースを有利に進めたい。

 

・《メッソン》4

ジメレオンインテレオン》の進化元。基本的には序盤から 2 体は並べたい。

 

・《ジメレオン》3 ~ 4

〈うらこうさく〉で自由自在にカードを使用する。

展開、ドロー、妨害、なんでもできる。

3 枚だけの採用が主流。

 

・《インテレオン(クイックシューター)》0 ~ 1

アルセウスVSTAR》の微妙に足りない打点を補ってくれる。

あまり採用されない。

 

・《インテレオン(うらこうさく)》1 ~ 2

《ジメレオン》よりもさらに強力な〈うらこうさく〉を持つ。《回収ネット》を通じて総サーチ枚数を増やす動きも強力。

威力 120 のワザを持っているため、サイドレースを 1 枚ズラすアタッカーとしても有力。非エクデッキ等の刺さりの良い相手に対しては積極的にアタッカー運用していきたい。

《インテレオン》としては、こちらだけを 2 枚採用することが多い。

 

・《かがやくサーナイト》0 ~ 1

「かがやく」枠。アルセウスラインの耐久を上げるため《大きなおまもり》2 枚と合わせての採用が主で、デッキを【耐久型】に決定づける 1 枚。20 の軽減では確定数が変わらないことも多いが、最近よくある 280 ちょうどの打点をギリギリ耐えるようにできる。《頂への雪道》と相性が悪いのが難点。

 

・《かがやくリザードン》0 ~ 1

「かがやく」枠。相手のVSTARをワンパンしてやろうという方針をとることが可能になる。こちらも《頂への雪道》とは相性が悪いため注意。

2 枚以上の基本炎エネルギーや《マグマの滝壺》or《トレーニングコート》1枚、他には《エネルギー転送》や 2 枚目の《こだわりベルト》などとの同時採用がよくある

 

2. サブのポケモン

・《ノコッチ》0 ~ 1

アルセウスVSTAR》の弱点を打ち消すことができる。

闘打点を有するデッキが多く存在する環境では積極的に採用される。

 

・《マナフィ》0 ~ 1

多くは【パルキア】の〈げっこうしゅりけん〉対策に使われるカードだが、〈あくうのうねり〉の打点を上げてしまうなど、かえって邪魔になることが多い。

最近は採用されない。攻撃的なコンボにより逆転することが可能な【かがリザ型】では、相手の打点を上げるデメリットより〈うらこうさく〉を安定させるメリットを見てか、採用されているのを見かける(気のせいかも?)。

 

・《クロバットV》0 ~ 1

採用意図は、序盤の安定性を向上させるためであることが多い。サポート権いらずで大量ドローの可能性がある。が、このデッキでは手札を思うように消費できず、あまり引けないパターンが多い。

また負け筋になり得るため、可能なら《崩れたスタジアム》で早めにトラッシュしてしまいたい。

最近は採用されない。

 

・《ネオラントV》0 ~ 1

クロバットV》と似た役割だが、こちらは確定サーチした《メロン》でエネルギーを後から間に合わせにいくことができる点が魅力。採用しておけば、〈スターバース〉で持ってきた《基本水エネルギー》を捨てながら《クイックボール》等でサーチすることで、少ない手札要求から上記 ③ の方針をとることができようになる。

しかし、やはり負け筋になる。こちらはワザで自分からデッキに帰り〈トリニティノヴァ〉用エネルギーの再装填をも成し遂げるという小技があるが、ほとんど成功しないイメージ。

最近は採用されない。

 

⚫️ トレーナーズのカード

1. グッズ
  • 《クイックボール》4

たねを持ってきてくれるグッズ。《アルセウスV》を立てるのが序盤の主な仕事。

 

  • 《レベルボール》2 ~ 3

《メッソン》や《ジメレオン》を持ってくる。《ノコッチ》などの対策用ポケモンにもアクセス可能。最近では2枚採用の構築が多めだが、インテレオンラインを重視して 3 枚のことも。

 

  • 《しんかのおこう》2 ~ 3

進化ポケモンしか持ってこられない代わりに、手札コストも使用条件もないグッズ。《アルセウスVSTAR》や《インテレオン》を気楽に持ってこれる数少ないグッズとして 2 t 目以降に重宝する。サーチ範囲の関係で少数しか採用できないため、《レベルボール》でもアクセス可能な《ジメレオン》のサーチに充てることは避けることが多い。

 

  • 《ハイパーボール》0 ~ 3

重い手札コストの代わりにどんなポケモンでもサーチできるグッズ。

エネルギーの手貼りが遅れた時はこれで《基本水エネルギー》を捨てながら《アルセウスVSTAR》や《ジメレオン》に繋ぐことで、 ③ の展開を目指すこともできる。

このデッキにおいて 2 枚の手札コストは痛いが、序盤の安定性を求めてか多めに採用されることがよくある。特に最近は3枚採用もよく見る。

 

  • 《ともだちてちょう》1

序盤にどうしても捨てざるを得なかったサポートを回収したり、特定サポートの使用可能な回数を投入枚数より増やすことができるグッズ。

1 枚採用の《チェレンの気くばり》を2回使えるようにしたり、序盤に捨ててしまった《ボスの指令》や《ツツジ》を戻して終盤の詰めに備えたりする。

 

  • 《ふつうのつりざお》1

序盤に捨てざるを得なかった/倒されてしまった/サイド落ちしてしまったポケモンや基本エネルギーの枚数を補ったり、《ノコッチ》等の対策用ポケモンの 2 枚目になったりするグッズ。

チェレンの気くばり》でバウンスした基本エネルギーを《クイックボール》等で捨てて戻すことで、〈トリニティノヴァ〉用のエネルギーを山札に準備する動きもある(狙ってやるのは難しい)。

 

  • 《ツールスクラッパー》0 ~ 1

相手のポケモンのどうぐを排除できるグッズ。《こだわりベルト》を壊すことで、アルセウスラインが生き残る可能性を少しでも上げる。

 

《インテレオン》をいきなり出すことができる。

あまり採用されない。採用される場合は《カイ》とセットになっていることが多い。

 

  • 《エネルギー転送》0 ~ 1

基本エネルギーを持ってきてくれるグッズ。

〈うらこうさく〉が《基本水エネルギー》にアクセスできるようになる。そうして事前にサーチすることで、アルセウスVSTAR》をサーチするための《ハイパーボール》で《基本水エネルギー》を捨てることが可能となり、③ の展開の手札要求を少なくすることができる。

かがリザ型】では、数枚採用の《基本炎エネルギー》にアクセスすることを可能にする。

主に【かがリザ型】で使われる。

 

  • 《おおきなおまもり》1 ~ 2

アルセウスVSTAR》の HP を 310 にまで到達させ、相手の攻撃を耐える確率を上げるグッズ。耐えた後は《チェレンの気くばり》に繋ぎたい。

他にも《ジメレオン》が〈げっこうしゅりけん〉や〈おとぼけスピット〉などを、《インテレオン》が〈どっすんグースカ〉などを耐えるようになる。

30 という上昇値の効率が良い。《こだわりベルト》や《パワータブレット》をちょうど相殺し、《アルセウスVSTAR》が持つ都合の良いHPの強みをそのまま活かすことができる。

 

  • 《こだわりベルト》1 ~ 2

アルセウスのあとちょっと足りない打点を引き上げたり、《かがやくリザードン》の打点をVSTARワンパンラインまで持ち上げるために使う。

2 枚採用されるのは、ほとんど【かがリザ型】でのみ。

   

2. サポート
  • 《ボスの指令》2

相手ベンチポケモンへの攻撃を可能にするサポート。

終盤、相手が押し付けようとしてきたポケモンを避けベンチポケモンを狙撃し、最短で詰めることに大きく貢献する。序中盤から使い、《こだわりベルト》付き 230 点の〈トリニティノヴァ〉で相手ベンチの進化前 V ポケモンを倒しリードを奪いに行くことも狙えるが、あまり成功しない。

 

  • 《マリィ》1 ~ 2

お手軽に手札干渉をすることができるサポート。

ドローソースとしてもギリギリ許せそうな 5 ドローだが、序盤のデッキを回すには少し足りないことも。理想としては、中盤以降で味方ポケモンが倒された返しに、相手の手札を減らすため使用することが望ましい。

チェレンの気くばり》でバウンスした基本エネルギーを山札に戻すことで、〈トリニティノヴァ〉用のエネルギーを山札に準備することもできる(あまりうまくいかない)。

採用枚数は環境や個人の好みによって変わるイメージ。

 

相手の攻撃を 1 発耐えた《アルセウスVSTAR》に使うことで、ダメージレースを有利にしてくれるサポート。

《大きなおまもり》と合わせて耐久戦術を可能にする。

最近の【耐久型】では 2 枚採用が多い。【かがリザ型】などの攻撃に寄せた型においては 1 枚だったりもする。

 

逆転要素。《頂への雪道》と同時に出してルール持ちの特性に依存したデッキの動きを止めるコンボが強力。

 

  • 《メロン》1

アルセウスVSTAR》を緊急で起動しなければならない場合に使用する。

ドロー目的には心もとないが、現状の手札を残したままドローできるという点では貴重。

   

  • 《博士の研究》0 ~ 1

既存手札を捨て去る代わりに大量のカードを得る、おなじみ最強のドローサポート。リソースを少々投げ打ってでも大量に引きたい場合に使用する。使っておくと後々の手札要求が楽になることもあるので、打てるときに積極的に打ちたい。

採用するかどうかの好みが分かれる。

 

  • 《キバナ》0 ~ 1

条件付きながら《メロン》と同じくエネ加速が可能で、こちらは非エクに使うことができるのが魅力。多くは《インテレオン》を育てやすくするために採用する。

また《ダブルターボエネルギー》をサーチできることを活かして、《ネオラントV》絡みの《アルセウスVSTAR》育成ルートから手札要求を減らすことが可能。

あまり使われなかった・・・けど最近は採用デッキをちょいちょい見るかも?

 

  • 《カイ》0 ~ 1

あまり採用されない。する場合は《ふしぎなアメ》とセット。

 

  • 《セイボリー》0 ~ 1

パルキア】や【レジ】に刺さる。3 ドローは心もとないが、《メロン》と同じく貴重な縦引きドロソになる。

最近は採用されたりされなかったり。

 

3. スタジアム

採用カードの選定に際して、〈スターバース〉前に雑貼りされた相手の《頂への雪道》を貼り返せるスタジアムの採用が少なくとも 1 枚は必要であることに注意。【耐久型】では、「《崩れたスタジアム》と《頂きへの雪道》を合わせて 3 枚投入し、それぞれの枚数比は環境によって調整する」という形が主流。《トレーニングコート》もしくは《マグマの滝壺》が必要な【かがリザ型】では、上述の 2 種と合わせて 3 種 1 枚ずつの採用にすることが多い。

 

  • 《崩れたスタジアム》1 ~ 2

相手の大量展開を阻害したり、負け筋になり得る味方ポケモンをトラッシュしたりできる。サイドレースを有利にするために、負傷した《アルセウスVSTAR》をトラッシュすることも一応は可能(リソース的にきついのであまりやらない)。

   

  • 《頂への雪道》1 ~ 2

ルール持ちポケモンの特性に依存したデッキの動きを鈍らせることができる...かもしれないカード。刺さりが悪くなってきたのか枠の都合なのか、最近は 1 枚だけの採用もよく見る。

 

【かがリザ型】において、炎エネルギーを用意するため《マグマの滝壺》と選択で採用。

 

  • 《マグマの滝壺》0 ~ 1

【かがリザ型】において、炎エネルギーを用意するため《トレーニングコート》と選択で採用。あちらに比べて汎用性は劣るが、相手に利用されにくくもある。

 

 

⚫️ エネルギーのカード

合計 10 ~ 11 枚くらいであることが多い。
(のちのメジャーなアルセウス系デッキである【アルギラ】では14枚が主流となっていったことから考えると、〈うらこうさく〉によるサポートがあるとはいえ少なすぎたか可能性あり。とはいえ、当時はデッキスペースを他のものに割かないと対応力が足りなくなってしまいがちだった印象。)

基本エネルギーは 6 ~ 7 枚。最近は 6 枚であることが多い。〈トリニティノヴァ〉や〈トリニティチャージ〉でつけられる基本エネルギーにはタイプの指定がないため、採用するタイプは他のアタッカーやギミックに対応したものを選ぶ。

1. 基本エネルギー
  • 《基本水エネルギー》4 ~ 7

《メロン》に対応し、《インテレオン》をアタッカーとして使用することを可能にする基本エネルギー。耐久型】では 6, 7 枚【かがやくリザードン型】ではそこから《基本炎エネルギー》の枚数だけ減った枚数が採用される。

 

  • 《基本炎エネルギー》0 ~ 4

《かがやくリザードン》を起動するための基本エネルギー。《エネルギー転送》でサーチできるよう、山札にできるだけ残したい。

最低限の 2 枚採用を最も多く見かける。

 

2. 特殊エネルギー
  • 《ダブルターボエネルギー》2 ~ 4

無色エネルギー 2 つ分になる特殊エネルギー。1 体目の《アルセウスVSTAR》を起動するために必須と言えるカード。

素引きできていない場合でも〈スターバース〉でアクセスすれば良いので、採用枚数はサイド落ちのみを考慮した数に抑えられる。2 枚か 3 枚のことが多かった・・・が、素引きによる他要素への要求低下が評価されてか、末期では4枚の採用が多くなっていった。

   

  • 《キャプチャーエネルギー》0 ~ 2

たねの展開を手伝ってくれる特殊エネルギー。1 t 目に使って《アルセウスV》の展開にも貢献することもできるが、手貼り権は《アルセウスVに充てたいため、1 枚目の《アルセウスV》は他のカードによって持ってきたい。

 

  • 《パワフル無色エネルギー》0 ~ 2

アルセウスの足りない打点を補うことができる。《こだわりベルト》とは異なりサーチしてくる手段に乏しく手貼り権も必要だが、《おおきなおまもり》と共存できる点などが魅力。

最近はあまり見かけない。

 

 

アルセウスVSTAR》の〈トリニティノヴァ〉起動パターン